
世界で広がるわさび〜ロサンゼルス編〜
海外で健康志向が高まりを見せる中、世界の各地で日本食の需要が拡大しています。その中でも、わさびは「WASABI」で一般的に通じるほど、海外でも人気を集める食材です。そんなわさびの美味しさを世界に向けて発信している金印わさびのロサンゼルス・フランクフルト・アジアのそれぞれの現地法人の担当の方々に、どのように受け入れられているのかについて、お話を伺いました。
わさ活
<エリアの紹介 ロサンゼルス>(緯度:33.93°N 経度:118.40°W 気象庁データより)
ロサンゼルスはアメリカ合衆国カリフォルニア州南西部に位置し、1年中温暖で過ごしやすい気候が特徴の都市です。高級住宅街のビバリーヒルズや、映画の聖地であるハリウッドなどがあります。食文化は多様でハンバーガーやお肉などのアメリカンフードに、メキシカン料理、ビーガンなどロサンゼルスではさまざまな食事を楽しめます。日本食の認知度も向上しており、ロサンゼルスのスーパーで販売しているテイクアウト用の「寿司パック」に小袋のわさびが横づけされているほど、「わさび」は広く普及しています。
■北米でのわさび市場と需要について
北米のスーパーの棚にはアジア系の商品が陳列されており、比較的どこでもわさびは買える状態です。とくに寿司を購入できる場所がアメリカでも8,000店舗ほどありますね。スーパーで販売されているテイクアウト用の「寿司パック」の普及率も高く、その中に小袋のわさびが入っています。また、北米のスナック会社でもわさびフレーバーを作っているくらいわさび風味のお菓子はたくさん出ていますね。とくにわさびアーモンドは人気で、アメリカでもよく売れています。スーパーや飲食店で見かける機会が多いこともあり、北米でわさび自体の普及率は高いと考えられます。
■北米独自の食べ方について
「日本食=健康的」という認知も広まってきているので、ロサンゼルスでもわさびを使った料理を楽しめるお店が増えてきています。特にハイエンド(※高級店)のお店に行くほうがわさびを使った独自のメニューがあります。わさびの茎を刻んでいる刻みわさびをステーキやオイスターの上に乗せたり、カルパッチョに混ぜたりしていますね。魚介類の切り身を調味料で和えたポケ(ポキ)に使うこともあれば、メキシカンで使うアボカドと刻みわさびを混ぜた「グアカモーレ」で食べている方もいます。
飲食店では、カリフォルニアロール寿司には粉わさび、刺身や握りなどお客さんの目の前でお任せでやる場合には生おろしわさびなど、使い分けている飲食店も多いです。また、テキーラベースのカクテル「マルガリータ」を飲む際、グラスの縁にわさび塩をつけることもあります。
■わさびの辛い表現方法について
アメリカでも色々言い方はありますが、特によく使われる表現としては「キック」という言葉を使います。鼻がツーンとすることをこういう風に言うこともあるんです。また、鼻が燃えるという意味で「Burn your nose(バーンユアノーズ)」と表現されることもあります。鼻の中がすっきりするという表現で「clean your sinus(クリーンユアサイナス)」などの表現もあります。わさびの特有の辛みはいろんな視点で表現されています。
■わさび普及の取り組みについて
本わさび自体を食べたりさわったりした経験のない方が多いので、展示会や販売先の問屋での勉強会などで本わさびをお客さんにさわっていただき、教育や啓発する機会を作っています。
本わさびを持つと皆さん珍しがりますね。怖がって食べない方もいますが、試食してみると「これなら食べられる、わさびは辛いものだと思っていたから騙された」と驚いたリアクションをしてくれます。北米ではホースラディッシュと呼ばれる西洋わさびが出回っているほうが多く、本わさびより1.5倍くらい辛いです。西洋わさびのイメージがあまりにも強いので、北米の方が本わさびを食べたときの感動は大きいですね。
■わさびを取り巻く環境の変化
日本食の認知度は普及していて、わさびだけにフォーカスすると「OMAKASE」という言葉が通じるようになるほど高級な寿司業態や回転寿司も増えています。本わさびに触れる機会も増えてきたので、より本物に近い品質の良いわさび商品への需要自体はこれからも上がると思います。アメリカ大陸だけでもわさびの需要は伸びていきますが、粉わさびなど、本わさびでないものがわさびとして認知されていることが課題です。本物のわさびの価値を広げることを、ミッションの1つとして活動を続けていきます。
※本記事で紹介するわさび表記の違い
本わさび:日本原産のわさび
刻みわさび:本わさびの茎を加工した製品
粉わさび:西洋わさびを乾燥加工した製品
生おろしわさび:本わさびや西洋わさびを加工した製品