生産者VOICE vol.2〜本わさび農家さんの思い〜
静岡の特産品の本わさび。その中でも伊豆市は「世界農業遺産」「日本農業遺産」の両方の認定地域になっています。本わさび栽培の伝統地域として知られる中伊豆で、本わさび農家を営む「わさびの大見屋」の浅田譲治さんに話を伺いました。
わさ活
浅田譲治さんの本わさびは「農林水産大臣賞」や「林野庁長官賞」など数々の賞を受賞していて味・質ともに優れた本わさびを生産しています。令和3年10月には長年の品質改良の末に生み出した本わさびを「伊豆小金」という名前で品種登録しています(種苗を提供する金印株式会社と共同で登録 )。また、本わさびをもっと身近に感じてほしいという想いから、保有する敷地内に作った「石庭わさび園」ではわさび漬けの手作り体験も可能です。
「わさびの大見屋」公式HPはこちらから
Q.本わさびを味わう上で大切なことはありますか?
A.新鮮な本わさびを食べてもらい、本当に美味しいわさびの味を体験してもらうことですね。特に子どもたちにその魅力を伝えることができると嬉しいです。大見屋では食育の一環として小学生の社会科見学を受け入れていて、わさび収穫体験などもしています。子どもたちにすりおろしたての本わさびを食べてもらうと、「甘みを感じる」、「すきっとする」という感想をもらうこともあり、辛いと答える子は意外と少ないです。
社会科見学に参加した小学生たちからのメッセージ
幼い頃から本物のわさびに触れてもらえれば、本わさびに対する苦手意識も減ると私は思っています。まずはその機会をどう作るかについて考え、それを食育としても行なっていかなければならないと感じています。
Q.おすすめの食べ方はありますか?
A.おすすめはご飯の上に本わさびと鰹節をのせて醤油をかけたわさび丼です。一番シンプルなレシピが本わさびの美味しさを一層引き立たせてくれます。結局、本わさびは脇役になってしまうので、本わさびの味を邪魔しない鰹節のような食材と食べるのが美味しいかもしれませんね。
また、刺身や蕎麦を食べる時は、醤油やつゆに溶いて食べるのではなく、ネタや蕎麦にそのままのせて食べると、本わさびの香りをよりしっかりと味わうことができます。
他にも食べ方だけでなく、すり板にこだわるだけでも本わさびの風味を一気に引き立たせることができるので、ぜひ試してみてください。たまには本わさびでプチ贅沢を感じてみるのも良いかもしれませんね。
Q.浅田さんの1日のスケジュールについて教えてください。
A.早朝からわさびの収穫を行います。これを午前中に終わらせ、午後には収穫した本わさびの出荷調整や沢の手入れなどを行います。雨や雪が降っても関係なく作業は行います。特に12月は年末年始需要なども相まって忙しいので、ほぼ毎日収穫をしていますね。大変ですが、毎日やりがいを感じています。
Q.本わさびの魅力を一言で表すとなんでしょうか?
A.私が栽培するわさび田には約20~30万本のわさびが定植されています。これだけ手塩にかけて大切に育てた本わさびなので、本わさびの魅力を一言では語りきれません。
本わさびの背景には農家さんの惜しみない努力とこだわりが詰まっていました。
毎日の食卓に美味しい本わさびを添え、素材本来の味わいを感じてみてはいかがでしょうか。