わさ活レポート ~スペイン編~
わさ活
食文化への豊富な知識や独自のネットワークを持つ有識者の方々に、世界の食文化や活動地域の様子、わさびの魅力を伝える活動についてご紹介いただきます。今回はスペインを拠点に活動されている北村 みやさんにお話をお聞きしました。
食を大切にしているスペイン
私はスペインの首都マドリードを中心に活動しています。日本から約1万km離れたスペインはいわゆるラテン系であり、情熱的でおしゃべりな方が多いです。食べることも大好きで、間食を入れて1日5食を基本とするほど。特に昼食を最も大切にしており、お昼休みは2時間以上かけてゆったりと楽しむ習慣があり、昼食後にシエスタと呼ばれる昼寝をするのが当たり前だった時もありました。生活様式が変化しており、現在では日曜や祝日のみの習慣となっていますが、スローライフな過ごし方は文化として今も色濃く残っています。コロナ禍については一定の落ち着きを取り戻しており、現在はマスクの着用や飲食店の規制も全廃されました。週末はどのレストランも満席になるほど、外食を楽しんでいる方が多くいらっしゃいます。
スペインの寿司店は多くのお客様でにぎわっています
日本食と通じるスペインの食文化
海に囲まれているスペインは新鮮な魚介類が豊富です。伝統的なカラスミやマグロの燻製など、日本のおつまみのような料理も数多くあります。また、ヨーロッパではあまり見ないイカやタコもよく食べられます。マグロの畜養も盛んで、東京の豊洲にはスペイン産のマグロを扱う専門業者があるほどです。そして、スペイン料理といえば米を使ったパエリア!日本でも好んで食べられる方も多いことでしょう。お米や豊富な魚介など、まさに食材は日本食と通じるところがあるように思います。
カラスミ専門店
スペインの食のこれから
スペインを除くヨーロッパの国々では、今後、ラーメンやカレーの人気が高まると言われています。一方、新鮮で豊富な魚介類が獲れるスペインでは、寿司ブームが廃れることはないと感じています。現地にある高級日本食レストランのシェフは、ほとんどがスペイン人ですが、わさびの味をとても重要視しています。例えば肉料理にきざみわさびを使用しているレストランは数多くあります。また、ミシュランの星付き高級レストランでもわさびは使用されており、和食に限らずジャンルに捉われない様々なスタイルの創意あふれるわさび料理が日々生み出されています。
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日本食材卸会社Cominport
北村みや
スペイン最大規模の日本食材卸会社Cominportのアドバイザーとして営業や仕入れのフォローなどに従事。2015年からは、加工わさびメーカー・金印の欧州第1号のアンバサダーとして、わさびの魅力を発信する活動も行っている。趣味は旅行と料理。